【1】運用方法の基本
■リバランス決済法とは
資産運用には、決済(購入売却)タイミングを図る上で、便利な方法があります。
それが「リバランス」です。
資産運用全体の資産バランスの調整を行うのがリバランスです。
リバランス決済方とは、「超長期投資法(FX運用方法1)」と「目標値設定投資法(FX運用方法2)」のよいところをあわせた運用方法になります。
| 運用方法 | 利点 | 欠点 |
| 超長期投資法(FX運用方法1) | 計画的に増える。あまり考える必要がない。積立式運用に適している | 運用資金を決済しないので、そのつもりの資金を使う。決済する必要があるとき差損になる可能性がある |
| 目標値設定投資法(FX運用方法2) | 決済することもあるので、決まった運用資金を投資できる。当然、決済後のリスクはなくなる | ポジションを建てるタイミングは難しい |
リバランス投資法では、ポジションを建てるタイミングも、決済するタイミングも、「リバランス」で行います。
よって、ポジションタイミングに悩ませる事はなく、なおかつ、積立式運用ができます。
資産運用の本を読んだ事が在る方なら、ここで説明しようとしていることは、なんとなく予想できると思います。
しかし「リバランス」という言葉を初めて聞いた方のために、「リバランス」の説明からはじめることにします。
■リバランスとは
分散投資が、資産運用の基本原則です。
様々な金融商品に、資産を分散して、投資します。
そうすると、価格変動リスク、信用リスクをおさえて運用することができるのです。
分散した投資資産を、ポートフォリオと呼びます。
資産運用では、ポートフォリオの割合が最も重要だ、と言われています。
たとえば、日本株式30%、日本債券20%、外国株式30%、外国債券20%のように、ポートフォリオの割合を決めます。
ところで、運用を行っていけば、相場の状況は日々変化していますから、ポートフォリオの割合が崩れてきます。
リバランスとは、この割合を調整し、もとの割合にもどすことです。
■リバランスの例
あなたの全資産が1000万円あるとします。これでポートフォリオを作成します。
ポートフォリオは、次の資産クラスで考えます。
1.日本株式
2.日本債券
3.外国株式
4.外国債券(FXはここに分類されます)
5.流動資産(銀行預金など)
(分散投資の考え方については、後のページで説明します)
で、今回、以下のようなポートフォリオに決めたとしましょう。
| 資産クラス | 割合 | 資金 |
| 日本株式 | 30% | 300万円 |
| 日本債券 | 10% | 100万円 |
| 外国株式 | 30% | 300万円 |
| 外国債券(FX) | 20% | 200万円 |
| 流動資産 | 10% | 100万円 |
| 合計 | 100% | 1000万円 |
これが、6ヵ月後、資産全体は5%増えましたが、以下のようにポートフォリオ割合が崩れました。
| 資産クラス | 割合 | 資金 | 6ヵ月後 →→ |
割合 | 資金 | リバランス後 →→ |
割合 | 資金 |
| 日本株式 | 30% | 300万円 | 20% | 210万円 | 30% | 315万円 | ||
| 日本債券 | 10% | 100万円 | 10% | 105万円 | 10% | 105万円 | ||
| 外国株式 | 30% | 300万円 | 30% | 315万円 | 30% | 315万円 | ||
| 外国債券(FX) | 20% | 200万円 | 30.4% | 319.2万円 | 20% | 210万円 | ||
| 流動資産 | 10% | 100万円 | 9.6% | 100.8万円 | 10% | 105万円 | ||
| 合計 | 100% | 1000万円 | 100% | 1050万円 | 100% | 1050万円 |
そこで、外国債券(FX)を、オーバー分(10.4%)だけ決済(もしくはスワップ金利分の出金)して、109.2万円を得ました。
その109.2万円を、流動性資産へ、4.2万円入れます。日本株式へ105万円へ投資します。
それが、上記表の右端の例になります。
こうやって、ポートフォリオの割合を一定に保ちます。
リバランスは、年1回〜4回が適当と言われます。
3ヶ月に1回、バランスが崩れていないか確認し、そのとき5%以上の狂いがあればリバランスするのが最も良いといわれています。
■リバランス時のFXは、円安の時に決済されたのか?
さて、FXをオーバー分(10.4%)だけ決済しましたが、何か問題はないのか、もう一度詳しく解説します。
まず、最初のポートフォリオ作成時に200万円で、米ドル/円(通貨ペアはなんでもいいのですが、米ドルにしておきます)を、2万通貨買ポジションを建てたとします。
このときから、決済するまでのあいだの6ヶ月間、スワップ金利は、年率10%得られたとしましょう。
すると、この6ヶ月間で、スワップ金利益は10万円(200万円×10%×0.5年)になります。
この6ヶ月間で、FX資産は、200万円→319.2万円になっています。
FXの利益は、119.2万円(内、スワップ金利益10万円)。
このFXの利益は、決済する前なので、全て評価益です。
差益は、109.2万円。
2万米ドルを保有している状態ですから、為替レートが、54.60円円安に動いたということです。
(実際に、6ヶ月間で、54円以上も動く事はありえないが、仮定の話としておいてください)
つまり、ちゃんと、円安時に決済することになるということです。
それから、補足しておきますが、2万通貨のポジションのうち、1万通貨の決済だけで109.2万円を得ることができるならば、1万通貨だけを決済します。また、ポジション決済せずにスワップ金利で109.2万円を得ることができたなら、ポジションを決済する必要はありません。(スワップ金利益だけを出金できる業者を利用していなければだめですけど)
それから、もし決済したならば、残った資金に応じて新規ポジションを建てておきます。
今度は、円安時にポジションを建てたので、次のリバランスでは、FXがマイナスになっているかもしれませんが、他の、資産クラスでプラスになっているはずなので、心配する事はありません。
つねに、資産全体では、プラスになっていくはずですから。
その際には、増えた資産クラスの資金が、FXへ分配されます。そういうときは、円高なので、ポジションを建てるチャンスです。
さらに1万通貨新規ポジションを建てることができれば、スワップ金利もその分増えます。
しかも円高ポジションなので、今後、為替差益も狙えます。(*^^)v
■積立リバランス
積立式で運用したいという投資家もおおいでしょう。私もそうです。(*^_^*)
積立資金をポートフォリオの割合で、分散投資していくだけです。
実際のポートフォリオの割合が崩れていたら、それを埋めるように、ポートフォリオの割合が正しくなるように、積立資金を割り当てます。
たとえば、毎月、5万円投資すると決めてある場合。
(下表では、資産の増加分は計算に入れません)
| 資産クラス | 割合 | 資金 | 1ヶ月後 →→ |
割合 | 資金 | 積立後 →→ |
割合 | 資金 | 積立 |
| 日本株式 | 30% | 300万円 | 29% | 290万円 | 29% | 290万円 | +5万円 | ||
| 日本債券 | 10% | 100万円 | 10% | 100万円 | 10% | 100万円 | 0円 | ||
| 外国株式 | 30% | 300万円 | 30% | 300万円 | 30% | 300万円 | 0円 | ||
| 外国債券(FX) | 20% | 200万円 | 21% | 210万円 | 21% | 210万円 | 0円 | ||
| 流動資産 | 10% | 100万円 | 10% | 100万円 | 10% | 100万円 | 0円 |
ポートフォリオの割合が、低くなっている資産クラスに、投資します。
何故、低くなっている資産クラスなのかというと、そういうときの相場は、『お買い得』だからです。
株式なら、株価が下がっている時、FXなら、円高の時だからです。(*^_^*)
要は、なるべく最初に決めたポートフォリオの割合になるように、積立ていくということです。
■レバレッジは要注意
それからリバランス決済法では、基本はレバレッジ1〜1.5倍(2倍が限度)です。それ以上は危険ですね。
ただし、円高の時は、レバレッジ3倍近くまでは、大丈夫かもしれませんが…。
リバランス決済法では為替レートがどんな円安でも、ポジションを建てることがあります。
よって、最高値(円安)でポジションを建てたら、円高時に、ロスカットされる可能性が高まります。
しかも、こんどは、最安値(円高)で、ポジションを建てることもあります。
その際に、レバレッジを高めてあると、折角の円高でポジションを建てることができなくなってしまいます。
たとえば、1ドル=120円のとき、100万円で、3万通貨建てました。
(レバレッジ3.6倍 ロスカットレートは90円弱)
現レートは1ドル=91円(ロスカットぎりぎり)のとき、資金60万円がリバランスにより、分配されてきました。
このとき、新しいポジションを建てる勇気がありますか?(*^_^*)
60万円増資されたので、ロスカットは、あと、20円円高にならなけば大丈夫です。
多分、胸をなでおろし、一息つける状態です。(^_^;)
さて本当なら、ここで、ポジションを1つでも2つでも建てたいところです。
ポジションが少ないうちは、保有ポジションの平均レートもさがり、それほど怖い状況にはなりません。
ですが、運用資金が増えていくと、平均レートも下がり難くなり、折角の円高でポジションを建てることが困難になります。
もし、レバレッジ1.2倍で運用していたならば、1ドル=91円の円高でも、何の心配もありません。
60万円増資されてきたならば、1万通貨新規ポジションを余裕で建てることができます。
160万円で2万通貨。平均レートは。105.5円。このときのレバレッジは1.3倍です。
■適している口座は、どっちもどっち
| 業者種類 | 利点 | 欠点 |
| くりっく365 | 決済するなら、税制面でこちらが有利 | スワップ金利のみの出金できる業者はひとつもない |
| 店頭取引 | スワップ金利のみの出金が可能な業者がある | 決済する時、税制面で不利 |
※FX口座については、次のページで説明しています。
FX(外国為替証拠金取引)口座比較
くりっく365と店頭取引の比較
複利運用に適したFX業者比較
【0】概要と意義
【1】運用方法の基本
【2】FX口座比較と初心者の始め方
【3】通貨ペアと各通貨
【4】通貨分散
【5】経済の基本原則
【6】資産運用としてのFX(外国為替証拠金取引)
【7】想定外の対応
1.想定外の状況とは
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