【1】運用方法の基本
■ロスカットレートとは
ロスカットレートという用語が存在するのか分かりませんが、わたしが勝手に、良く使うFX用語です。
ロスカットになると予想されるレートのことです。
例えば、米ドル/円の通貨ペアを買いポジションで持っているとき
1ドル=?円までならロスカットにあわないであろうか、というレート。
■過去5年間の為替レートを調査
為替レートの何を調査するのか、というと、
(1)最安値
(2)6ヶ月間程度での最大下げ幅
これらを調査すると、その通貨ペアのおおよその為替変動の特徴が分かります。
調査期間を過去5年間とする理由は、経済状況が昔と今を比較すると随分違ってきているからです。
たとえば、
1971年 日本は、固定相場制から変動相場制へ移行。世界的には金本位制による固定相場の崩壊。これにより、先物取引が発展。
1979年 EMS(欧州通貨制度)の発足。ユーロの準備制度。
1985年 プラザ合意。ドル安へG5が協調。円高がすすみ、95年には1ドル=79円台を記録。
1990年、ヘッジファンド大暴れ。ポンド危機。アジア通貨危機。ロシアのデフォルト。
2000年、投機マネー大暴れによる原材料高。BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)の好景気。サブプライムローン問題で世界不況か?
この様に、経済状況が変化していけば、為替相場の動向も変化します。
よって、過去10年だと、ちょっと長すぎるし、過去1年だと短かすぎます。
FX関連の本を見ても、過去5年の動きを参照することが多いようです。
■通貨ペアの為替レートの特徴
参考までに2003.10〜2008.9の過去5年間を調査した結果を紹介します。
インフォシークマネーのデータを参照。
(為替の時系列データ http://money.www.infoseek.co.jp/MnForex/fxlast/)
| 通貨ペア | 最安値 | 年月 | 最大下落時値幅 | 期間 |
| 米ドル/円 | 99.58 | 08年4月 | 22.14 | 07年10月〜08年3月(5ヶ月間) |
| NZD/円 | 67.17 | 08年9月 | 23.51 | 07年7月〜同年8月(2ヶ月間) |
| ポンド/円 | 184.47 | 08年9月 | 48.87 | 07年11月〜08年3月(4ヶ月間) |
サブプライム関連で、07年以降の値動きが大きいです。
08年に入り、過去5年間では、最安値をつけています。
■この表から、ロスカットレートを決定する
さて、先ほどの表から、ロスカットレートを決定してみましょう。
米ドル/円では、最安値 99.58 下落値幅 22.14 です。
故に、1ドル=99.50円くらいまで下がる可能性があります。
そして、短期間で、22円以上も下がる可能性があります。
これらを考慮して
現在のレートが、1ドル=105円の場合
ロスカットレートは、99.50円以下でなくてはなりません。
そして、105円から、22.14円下がってもいいように、82.86円以下でなくてはなりません。
よって、82.80円くらいを、ロスカットレートに決定しましょう。
もし現在のレートが、1ドル=130円の場合
ロスカットレートは、99.50円以下でなくてはなりません。
そして、130円から、22.14円下がることを想定して、107.86円以下でなくてはなりません。
よって、99.50円をロスカットレートに決定しましょう。
現在のレートによって、ロスカットレートも変化します。
■最低1年間はロスカットされないこと!
先ほどの決め方で決定された、ロスカットレートであれば、1年くらいは持つでしょう。
何故ならば、通貨ペアにもよりますが、だいたい、為替レートの年間変動率は10%程度です。
よって、1ドル=105円なら、1年後、94.50〜115.50円の範囲に入る可能性が高い(確率70%弱)です。
そして、1年に15日くらいは、変動率20%を超えたレートを記録することがあります。(それが、先ほど調べた最大下落幅22.14円くらいに当たります)
故に、このロスカットレートに多少余裕をもたせて、レバレッジを決定すれば、まず、1年間は持つでしょう。(多分)(^_^;)
1年間はロスカットされないようにする理由は、スワップ金利が上乗せされるからです。
通貨ペアにもよりますが、5円〜10円くらいロスカットレートが下がります。
これで、かなりロスカットされにくくなります。
しかし、1年もったとして、5円ロスカットレートが下がったとして、それが、今後ロスカットされない理由にはなりませんが…。
よって、実際に取引するときは、あなたの運用方法によって、どれくらいの余裕を見ておくべきかが変わります。
■レバレッジ2〜3倍がすすめられる理由
レバレッジは、2〜3倍で取引するのが良いといわれます。
その理由は、ロスカットされにくいからです。
レバレッジを2〜3倍にすると、だいたい先ほどのロスカットレートに収まります。
米ドル/円の場合をみてみましょう。
1ドル=105円のとき
レバレッジ2倍 50.25円
レバレッジ3倍 70.00円
でおおよそロスカットされるレートになります。
先ほど計算したロスカットレートは、82.80円でした。
よって、レバレッジ3倍でも、ロスカットレートより低くなるので、ロスカットされにくいといえるわけです。
| 通貨ペア | レート(仮定) | レバレッジ3倍 | ロスカットレート |
| 米ドル/円 | 105.00 | 70.00 | 82.20 |
| NZD/円 | 72.00 | 48.00 | 48.40 |
| ポンド/円 | 196.00 | 131.00 | 147.10 |
ご覧のように、レバレッジ3倍にしておくと、だいたいロスカットレートに余裕を持たせた状態になるのです。
レバレッジ3倍は、ロスカットレートを決める目安になるわけです。
【0】概要と意義
【1】運用方法の基本
【2】FX口座比較と初心者の始め方
【3】通貨ペアと各通貨
【4】通貨分散
【5】経済の基本原則
【6】資産運用としてのFX(外国為替証拠金取引)
【7】想定外の対応
1.想定外の状況とは
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